沖縄の夏、今年最後の海水浴。

旅エッセイ

箱根まであと5日。

荷造りしなきゃ、と頭の片隅で思いつつまだ手つかずで

沖縄の夏を(もう夏の終わりだけど)、丁寧に感じておきたいなぁと思う今日この頃。

今年の夏は先に先にと焦っていたから、やっとここらで

今この瞬間を生きる心の余裕や、今ここにある豊かさを思い出せるような、

本来の自分に繋がった感覚がしている。

それは、旅をすることに決めたからだ。

私にとって旅は、きっといちばん好きなことだから。

そんなこんなで最近は、また海で過ごす時間が増えている。

台風の後に自転車で転んで、追い打ちをかけるように夏風邪を引いて

2週間ほど海に入れなかった8月。

毎日海に入るくらい好きなのに、間が開くと行くのが億劫になってしまっていた。

「でも、しばらく旅に出るから行っておこう。」

そう思って、昨日久々に水着を着て午後の海に入った。

風はもう、秋の風になっていて、森山直太朗の「夏の終わり」が

頭の中で静かに流れた。ああ、切ないっ。

海はひんやりと冷たくて、でも入るとすぐに身体は慣れる。

足がつくか付かないくらいの深さで、横に向かって平泳ぎで泳いでいく。

白くて、食べたら美味しそうな魚の群れが通り過ぎて

珊瑚には沖縄ならではのカラフルな魚たちが泳いでいる。

いつも、海の仲間たちは元気だ。

海に差し込む光がキラキとシャワーみたいに降り注いで神秘的。

海の中はまるで別の世界で宇宙空間みたい。

お金も仕事も存在しない。ただ、生きるものたちと

生きる地球と、生き物の自分として繋がる。

海から上がると、まっさらに洗われたみたいに

心も身体も軽やかで気持ちがいい。

「あぁ、今年の海は今日が最後だな。」

砂浜にレジャーシートを敷いて、しばらく全身に風を感じながら

寝転がっていた。最高に気持ちがいい時間。

「ありがとうね。」

心の中で海に伝えて、オレンジ色の自転車で家に帰った。

さぁ、秋を楽しむ準備をしなくちゃ!

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